これらは何千年も昔から知られていた神々で諸説もあり、はっきりしたことは判りません。江戸時代には七福神信仰が盛んで、正月に宝船の版画が売られたり、それを枕の下に置いて寝ると縁起の良い初夢が見られると信じられていました。
この七福神のもたらすといわれます七福とは、寿命(寿老人)、有福(大黒天)、人望(福禄寿)、清廉(恵比寿)、愛敬(弁才天)、威光(毘沙門天)、 大量(布袋)を表し、七福神の宝船の絵は江戸時代の僧、 天海僧正が、仁王経を もとにして描かせたものだと伝えられています。
天海僧正は徳川家康から富国繁栄の方法を尋ねられた際、七福神の絵を引用し差し示しながら、この七徳について説いたといわれています。
実は宝船の帆には上から読んでも下から読んでも同じ歌が書かれています。この歌を三どとなえて寝ると、縁起の良い初夢を見ると信じられていましたが、実はこの歌は、人々に早く煩悩から目覚め、悟りの岸へ渡る修行をせよと説いているとのこです。
「なかきよの とおのねふりの みなめさめ なみのりふねの おとのよきかな」 |
(長き夜の 遠の眠りの 皆目覚め 波のり船の 音の良きかな) |
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1.恵比須 恵比須(えびす,恵比寿,戎とも)は七福神の中では唯一日本の神様です。その実体は兵庫県西宮神社などにお祭りされている蛭子大神(ひるこのおおかみ)であるとも、また大国主神(次項参照)の子供で島根県の美保神社にお祭りされている事代主神(ことしろぬしのかみ)であるとも、また東京の神田明神や愛媛県の道後温泉などにお祭りされている少彦名神(すくなひこなのかみ)であるともいわれています。 全国各地の恵比寿神社は正月10日前後には「十日戎」で賑わいます。 恵比寿様は公正、富、幸運の神ですが、鯛を抱えたお姿で手にもたれる釣り竿には「釣りして網せず」の精神が反映されて暴利を貪らない清栄なるお心を持っていらっしゃるとして、農村では田の神、漁村では大漁の神、商売繁盛の神として慕われてます。 |
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2. 弁財天 弁天は元々はインドのサラスヴァティという川の女神様です。 元々芸術の神様ということで弁才天と書いてましたが、後に金運を授けてくれる神様でもあるということで、弁財天と書かれるようになりました。インドのサラスヴァティはビーナという弦楽器を手にしていましたが、日本では琵琶に変えられました。 寄り添うのはみ使いの蛇です。 日本三大弁天は、広島の厳島神社、神奈川県の江ノ島、滋賀県の竹生島とされています。 神々の中で紅一点の女神様です。嫉みの神としても知られますが、音楽、、ダンス、絵画、雄弁、文学を司る神です。 |
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3.毘沙門天-別名多聞天(たもんてん)。 仏法を守護する四天王及び十二天の一で、北方を司り、須弥山の北を護っています。 元々光明神・幸福の神ですが、後にはその厳しい容貌から全ての悪を追い払い夜叉・羅刹を支配して国土を守護する武神とされました。 日本では吉祥天が毘沙門天の奥様ということになっています。 毘沙門天を信仰したことで有名なのは上杉謙信で、毘沙門天の「毘」という字をそのシンボルにしていました。 医師、武士、僧の神であるといわれます。 毘沙門天のお使いは虎です。 |
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4.福禄寿 |
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5.寿老人(じゅろうじん) 福禄寿(ふくろくじゅ)同じ神様ということになりますが、描き分ける時は、福禄寿の方を長い頭にします。また、鹿を連れているのが寿老人、鶴を連れているのは福禄寿です。 南極老人星とも呼ばれるカノープスの精ですが、この星は地上すれすれに見えるため、この星を見ることができたら長生きする、という伝説が昔からあり、そこで長寿の神様となったようです。 また、インドではこの星はアガスティヤと呼ばれています。アガスティヤはインドの伝説的な仙人で、太古の昔に今後地上に現れる全ての人間の運命を予測してそれを葉に記したといわれます 。またアガスティヤというのは神通力により不老長寿を身につけ、今もインドの山奥で生きており、多くの仙人たちを霊的に指導しているという説もあります。 教師、科学者、技師、博士の神とも言われています。 |
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6.布袋和尚 (ほていおしょう) 唯一実在した人物であるとされます。モデルについては幾つか説がありますが、一説には中国五代の頃、後梁の明州・奉化県にいた禅僧で契此(かいし)和尚であったといわれます。 たいへん立派なお坊さんで、人々から弥勒菩薩の化身と崇められていたとのことです。 布袋和尚のお腹をさすると、幸運が訪れるとされています。手になさっている大きな袋には毎日の生活の必需品が決してなくならないと言われてます。財産の神で子供を守り、占い師やバーの経営の神でもあるとされます。 |
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7.大黒天 元来は古代インドの摩訶迦羅(まかから)天という神様。 サンスクリット語でマハーカーラといい、中国より最澄が日本国内に広まったとされています。 三宝を守り飲食を司る戦闘の神が、南中国の諸寺で台所の神となり福徳の神とされ、日本では農産・福徳の神である大国主神【オオクニヌシノミコト】と習合されました。 大黒天様は天真爛漫なお姿で庶民的な神様として親しまれます。トレードマークの右手の打出の小槌のは、米をはじめとする「土」の産物、恵みを産み出す「大地」を意味するとされております。左手には袋をもたれ米俵に立ち、鼠を使者とされています。 幸運を運び繁栄をもたらす神とされます。 |